◇セーフティーカー業務とは◇
皆さんはセーフティーカーというものを御存知でしょうか。
主にサーキットでのレース進行をコントロールする車両で、F1などのレース番組でご覧になっている方も少なくないことと思います。
実はフォーチュンワークスの松本は、茨城県にある日本屈指の名コース・筑波サーキットのセーフティーカードライバーとして、2021年で勤続38周年になるこの道一筋の人間だったりします。
本日はこの場で、セーフティーカー業務がどういった内容なのかをご紹介させて頂きたいと思います。
◇セーフティーカーの主な役割◇
1.レース前:コースの安全チェック
まず、レースが始まる前にコースを実際に走行し、不具合がないかをチェックします。
落下物がないかどうかの確認は勿論、舗装の状態などを把握し、必要があればブリーフィングなどで選手への情報共有を行います。
傍目には普通に走行しているように見えますが、この時のセーフティーカードライバーは些細な変化でも見落とさないよう、最新の注意を払っています。
レーシングスピードのマシンは、ちょっとした路面状況の変化で極端に挙動を乱してしまうものです。
一見変哲もないセーフティーカーによるコース走行が、レースの安全につながっているのです。
2.レース直前:スタート進行
セーフティーカーのレーススタートへの関わり方は、大きく分けて2通りあります。
まずは先導する場合、サイティングラップやローリングスタート時が主な例です。
こちらもただ単に走行すればよいというものではありません。
各ドライバーはそれぞれ一つでも良い順位を目指してレースに挑んでいるわけですから、スタート前にもバトルは始まっています。
これを先導することによって各マシンのスピードをコントロールし、安全なレーススタート出来るようにすることが目的です。
次に最後尾から追従する場合、主にグリッドスタートではこの形式となります。
一斉にスタートするマシンを追いかけるわけですから、セーフティーカーもレーシングスピードでの走行が求められます。
それと同時に、マシン同士の接触によるパーツの脱落や、不具合での液体漏れなどが起きていないかをチェックする必要があります。
いずれにしても最重要なのが、何があってもセーフティーカーがアクシデントを起こすことは許されないということ。
レース状況・コース状況に最大限の注意を払いつつレーシングスピードでの走行は、選手とは違った次元で高い集中力が必要となる業務といえます。
3.レース中:緊急時の選手の誘導
レース中にセーフティーカーがコース上に出現する機会は、何かしらのアクシデントが発生しレースを中断する必要がある場合です。
専ら耐久レースでセーフティーカーの介入が生じるケースが一般的でしょう。
介入の瞬間は、セーフティーカードライバーが最も緊張するシーンの1つと言えます。
極限のレーシングスピードで走行しているマシン達の間に割って入るわけですから、適切で迅速な判断が求められます。
何より、マシンポテンシャルは選手達の方が高いことも多いのです。
これを穏便に非競技状態(ペースを落として前車追従での走行)へと誘導する技術は、一朝一夕で為せる技ではありません。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
フォーチュンワークスではこんな業務も行っているんです。
よかったら是非、筑波サーキットにレースを見に来てくださいね。
直近の業務予定はモータースポーツページに掲載していますので確認ください!
(写真のスープラは今までの日産フェアレディゼットを入れ替えた2021年からの最新車両です)